2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20740263
|
Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
笠谷 貴史 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部ダイナミクス領域, 技術研究副主任 (90373456)
|
Keywords | 比抵抗 / 海底電気探査 / 奮起断層 / 海底電位磁力計 / OBEM |
Research Abstract |
流体分布と密接な関係のある海洋地殻の比抵抗構造をより高精度に把握するため、人工電流源装置を中心とした電磁気観測手法の確立を目指す。インラインの電気探査およびその信号をソースとしたコントロールソースEM法により、従来の自然信号によるMT法では高周波成分の減衰により困難であった海底下数kmまでの構造を高分解能でイメージングし、プレート境界から海底面へと続く分岐断層内の流体分布を明らかにする。この結果は、断層運動モデルや速度構造、さらに「ちきゅう」で取得されたLWDデータおよび掘削資料データとの対比により、断層運動と流体の関係をより明らかにすることが期待される。2009年度は、熊野灘における観測データ取得が実施された。調査では、R/Vよこすかを用い、よこすか常設の曳航体(YKDT)に2008年度に改良を実施した海底電気探査装置を搭載し、電流送信を実施した。また、海底電位磁力計(以下、OBEM)を4台設置し、そのうち一台のOBEMへの電気探査装置を用いた人工電流送信を実施し、改良された電流送信機能が機能していることを確認した。本航海では、操船の極めて難しい強い潮流下(4ノット以上)での実施であったが、曳航体と曳航ケーブル尾部にとりつけたトランスポンダのデータにより、安定した曳航が出来たことがわかった。 潮流が非常に強かったため、揚収作業中に曳航ケーブルの破損がたびたび発生し、そのたびにケーブルの補修が必要となった。多くは、曳航体本体を甲板に揚収後、約170mの曳航ケーブルを引き上げる際に潮流にケーブルが潮に流されて、船艫側の設置物との干渉によって引き起こされたため、強潮流下での今後の調査実施のために曳航ケーブルの試作・検討が必要であることが分かった。
|
Research Products
(1 results)