2008 Fiscal Year Annual Research Report
VLF・LF帯電波観測による磁気嵐時の放射線外帯消失過程の実証
Project/Area Number |
20740281
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土屋 史紀 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 助教 (10302077)
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Keywords | 放射線帯 / 磁気嵐 / 長波標準電波 / 電離圏 / D領域 |
Research Abstract |
本研究計画は、磁気嵐の主相において消失する放射線帯電子の行方を調べるため、放射線帯電子が大気に降下する際、電離圏D領域で局所的な大気の電離を引き起こし、電離によって地上と電離圏D領域間を伝搬するVLF・LF帯標準電波の位相・振幅に変調をもたらす現象を利用して、放射線帯電子の大気降下による消失を観測的に調べる手段を構築する。この準備ために、2008年度は国内において、高緯度(極冠)領域に設置する受信システムの立ち上げおよび整備を集中的に行った。VLF・LF帯標準電波の送信局は、主に中・低緯度域の様々な経度域に設置されており、これらの電波を極冠で受信することにより、様々な地方時から伝搬してくる電波を同時且つ高時間分解能で観測することが可能となるが、送信局と受信点(極冠域)間の伝搬距離が長くなるために、受信点では高感度観測を行う必要がある。LF/VLF帯電波は波長が長く、観測では微小アンテナを使用することになるため、受信系の狭帯域化が標準電波の受信時のS/Nの改善に本質的に重要となる。 本研究で設置する受信システムの整備と共に、国内ですでに観測に使用しているVLF・LF帯標準電波受信システムの高感度化を検討した結果、帯域幅を12.5kHzまで狭帯域化することによってS/Nを10dB以上改善することが可能であることが実験的に確認され、観測システムに必要な性能の確保に目処をつける事ができた。
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Research Products
(1 results)