2009 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度火星大気大循環モデルを用いた中小規模擾乱とダストストームの研究
Project/Area Number |
20740284
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
高橋 芳幸 Kobe University, 大学院・理学研究科, 特命助教 (00372657)
|
Keywords | 惑星大気 / 大気大循環 / 大気大循環モデル / 高解像度実験 / 中小規模擾乱 / 火星 / ダストストーム |
Research Abstract |
今年度は,地表面応力の分布関数に注目し,水平格子点間隔44,89kmの複数の解像度のモデルを用いた実験の結果を比較することで,火星大気中における,惑星のサイズに比べてずっと小さい中小規模の擾乱の,ダスト巻き上げへの影響を診断することを試みた. 水平格子点間隔44,89kmの解像度での計算結果から得られた,地表面応力の分布関数を比較した結果,分布関数の大きな応力値側の裾に明確な違いが見られた.格子点間隔44kmの解像度で得られる最大の応力値は,89kmのそれに比べて1.5倍から2倍大きくなっていた.この大きな応力は明らかに,格子点間隔89kmの解像度では表現できないが44kmの解像度で表現される小さな水平スケールの擾乱か,44kmの解像度で表現されるより短い時間スケールの擾乱によって生じたものである.44kmの解像度で見られた大きな応力がどのような擾乱に起因しているのかを調べる手がかりとして,分布関数の地域依存性を調べた.その結果,大きな応力は,主に低緯度で生じていることがわかった.昨年度の報告でも記述したように,この緯度帯では多数の小規模渦が生じている.今回示された大きな地表面応力は,これら小規模渦に伴って生じている可能性が考えられる.
|
Research Products
(5 results)