2008 Fiscal Year Annual Research Report
大陸多重衝突による造山帯群の変成岩広域解析からみた超大陸形成テクトニクスへの制約
Project/Area Number |
20740295
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 伸彦 Kyushu University, 比較社会文化研究院, 助教 (20452790)
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Keywords | 地質学 / 変成岩 / 東南アジア / 大陸衝突 / 超大陸 |
Research Abstract |
08年に予定していたベトナムの現地調査は, 分担している科学研究費補助金基盤研究(A)「ユーラシア大陸極東域における微小大陸衝突・集合時の変動テクトニクス(代表 : 小山内康人)」と連携し, タイの国際学会終了後に行う予定であったが, バンコクでの空港閉鎖に巻き込まれ実施することができなかった. 従って, 2008年度の現地調査は, 中国雲南省の大理周辺で行った. 主な室内実験およびそれから得られた成果は以下に集約される. 1. 北部ベトナム・ソンマ地域およびレッドリバー地域の変成岩に対して, ザクロ石と黒雲母のFe-Mg分配から広域的な温度-圧力条件の推定. 2. 北部ベトナム・レッドリバー剪断帯から変成ボーキサイトの発見とその温度-圧力履歴の見積もりと年代測定の実施. 3. 北部ベトナム・ソンマ地域のエクロジャイトの温度-圧力-時間履歴の解析. 4. 北部〜中部ベトナムの変成苦鉄質変成岩の主要・微量・希土類元素の化学組成の測定. (1)については, 中部ベトナムの変成岩と比較することでインドシナ・南中国地塊の衝突に伴う地域的な温度勾配の違いを把握することができ, (2・3)によって同地域の変成岩上昇過程の類似性がしめされた.つまり, 同じ地塊同士の衝突において, 大陸の沈み込む深度は地域で異なるが, その上昇メカニズムは, 同様である可能性が高い. (4)については, 21年度に行うインドシナ・シブマス地塊衝突域の変成岩の全岩化学組成の結果を併せて検討を行うこととする.
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Research Products
(15 results)