2009 Fiscal Year Annual Research Report
Braarudosphaera属化石1億4千万年の歴史と系統進化
Project/Area Number |
20740296
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
富岡 恭子 (萩野 恭子) Okayama University, 地球物質科学研究センター, 非常勤研究員 (90374206)
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Keywords | 円石藻 / 石灰質ナノプランクトン / コッコリス / Braarudosphaera bigelowii / 微化石 |
Research Abstract |
Braarudosphaera bigelowiiはK/T絶滅の直後やOligocene Diversity Minimumに世界中の海洋で大繁栄した歴史があり,貧多様性海洋植物相の議論の上で重要な種である.Takano et al (2006)によるSSU rDNAの解析の結果,現行の分類基準による「B.bigelowii」が複数の種の集合体である可能性が示された.しかしながら,形態が単純で分類基準が整理されていないため,この系統の多様性と環境事変との関連は不明である. 本年度は1) 化石記録とコッコリス微細構造に基づいてBraarudosphaera属の歴史と系統進化を解明すること,2) 現生種の細胞構造や分子情報に基づいて同種の石灰化システムや分類体系の整理を行うこと,を目的に以下の研究を行った. a) 日本近海におけるB.bigelowii個体群の形態情報と分子情報の関連を調べた.その結果,ペンタリスのサイズがB.bigelowiiの種の分類基準として有効であることを明らかにした.この結果を,Marine Micropaleontologyに論文発表した. b) 鳥取県東伯郡湯梨浜町の沿岸でB.bigelowiiの生細胞を多数採集し,細胞の内部構造の観察を行った. c) B.bigelowiiの培養実験を試みた. d) ODP leg 164で採取された深海底柱状堆積物試料を用いてBraarudosphaera属化石の顕微鏡観察を行い,新生代におけるBraarudosphaera属化石のサイズの変遷と地球環境変動との関連を調べた. e) 九州大学で行われた日仏二国間交流事業「生物学に基づく古海洋学の新展望」と,プランクトン学会シンポジウム「原生生物の多様性と生態的機能」において講演を行い,他分野の研究者と研究議論を行った.
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Research Products
(3 results)