2008 Fiscal Year Annual Research Report
内熱式ダイアモンドアンビルセルを用いた地球核物質の相関係の解明
Project/Area Number |
20740306
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
駒林 鉄也 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 助教 (20444119)
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Keywords | 高圧 / 鉄 / 核 / ダイアモンドアンビルセル / 熱力学 / 抵抗加熱 |
Research Abstract |
本年度は、内熱式ダイアモンドアンビルセル(diamond anvilcell-DAC-)を放射光X線と組み合わせて、純鉄の相平衡および体積データの取得のための高温高圧X線その場観察を行った。先端径350μmおよび200μmのダイアモンドアンビルを用いて高圧発生を行い、試料兼ヒーターである鉄箔に電流を流すことで高温発生を行った。結果は、70GPa、2500Kまでの範囲にわたり、鉄のHCP-FCC構造相転移を観察することができた。相転移曲線の温度圧力位置およびクラペイロンスロープの決定を行い、HCPおよびFCC構造の体積のデータを取得した。内熱式DACは温度の精度が従来のレーザー加熱式DACより一桁高いため、相転移曲線の位置決定および相の体積について既報の文献よりも信頼性の高いデータが取得できたことになる。特に、従来のレーザー加熱式DACによるFCC-HCP境界に関する論争(温度圧力位置、境界のクラペイロンスロープ、他の構造の出現の有無)に決着をつけることになる。結果は、国際誌Earth and Planetary Science Letters誌に投稿し、受理され、現在印刷中である。また、本実験で得られたデータ(相境界、相の体積)から、予察的な内部整合成を持った熱力学データセットを構築し、相平衡計算を地球の中心の温度圧力まで行い、核における鉄の安定相を議論した。こちらの結果は現在国際誌Journal of Geophysical Research誌に投稿中である。
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