Research Abstract |
本研究の全体構想は,始原的な炭素質コンドライト隕石に含まれる極初期太陽系約46億年前のわずか数百万年間に形成した物質(難揮発性包有物,コンドリュール)に対して,岩石学的組織,同位体組織学を複合した新しい年代組織学を適応し,形成過程の解明のため,隕石年代組織学を展開することである。極初期太陽系約46億年前に形成したと考えられている物質を構成している結晶単位毎に,短寿命核種^<26>Alを用いた高精度相対年代測定法を適応し,10ミクロンスケールの空間分解能及び時間分解能約10万年の制約を与え,これら結晶固化年代を詳細に比較し,形成期間を決定する。 20年度に開発に成功した高精度年代測定法を,より系統的に自動化して分析を行うため,同位体自動分析システムの開発を行い、標準試料及び隕石試料に適応し,検証した。その結果,0.1‰程度の分析精度で^<26>Mgの過剰を評価する事ができる分析法の開発に成功した.この分析法を,岩石組織の異なる様々な難揮発性包有物に適応し,短寿命核種^<26>Alから壊変して生成した^<26>Mg/^<24>Mg初生比の変動を0.1‰の精度で詳細に評価した。結果,酸素同位体組成の異なる各結晶のもつ^<26>Mgの過剰から得られたアイソクロンから,複数回の溶融により,年代系がリセットされたことを,同位体組織学,岩石学的組織を融合し,評価する事に成功した。それら成果を国際学術会議,国内会議に発表し,現在,学術雑誌に投稿中である。
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