2008 Fiscal Year Annual Research Report
高ベータプラズマ衝突実験における粒子混合過程の研究
Project/Area Number |
20740321
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井 通暁 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (00324799)
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Keywords | プラズマ / 核融合 / 磁気圏・電離圏 / 宇宙物理 |
Research Abstract |
回転磁場によって形成・維持される準定常高ベータプラズマにおいて、内部アンテナ構造によってもたらされる周方向非一様性を実験的に見出し、回転磁場圧力と電子回転速度分布との関連性を明らかにした。アンテナ直下では回転磁場の磁気圧が大きくなるため、圧力勾配が大きくなると同時にプラズマ径が小さく制限され、結果的に磁場および密度の径方向分布は周方向位置によって大きく異なることになる。このような状態で閉じた磁気面構造が維持されるためには、電子とイオンの周方向回転速度分布に差異が生じる必要があることを実験およびモデル計算を用いて示した。この周方向非一様性は、プラズマの巨視的な安定性に寄与していると考えられる。また、衝突時のプラズマの挙動を観測するための静電プローブを制作し、準定常高ベータプラズマの軸方向圧力バランスを詳細に検証した。これらの実験結果は、回転磁場法によって金属容器中で維持される高ベータプラズマに独特の特徴を示唆するものであり、衝突時の挙動に大きな影響を及ぼすと考えられる。衝突実験を実施するためのプラズマパラメータ向上に関しては、ピエゾバルブ等を用いたガス導入系の高性能化や電源の改良等を実施した。衝突過程を観測するための手段としては、光電子増倍管を用いた分光測定システムを設計し、制作を開始した。また、高ベータプラズマ衝突時の磁場変化を低周波波動として取り扱うための予備実験を実施し、波動同定のための磁場測定システムの検討を行った。
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