2009 Fiscal Year Annual Research Report
自発的なプラズマ回転の構造決定機構と運動量輸送の研究
Project/Area Number |
20740325
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
吉田 麻衣子 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究職 (20391261)
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Keywords | 運動量輸送 / 自発回転 / データベース活動 |
Research Abstract |
本研究では、核融合プラズマで支配的となる、自発的なプラズマ回転分布の決定機構、運動量輸送の解明、更にプラズマ回転制御の実証を目的としている。 本年度は、トカマク型核融合実験装置JT-60において、外部運動量入力をもたない電子加熱による回転の挙動を詳細に調べ、電子加熱特有の自発回転の存在を実証した。ここでは、運動量入力のない加熱である電子サイクロトロン加熱時のプラズマ回転への効果を、運動量輸送、圧力勾配が駆動する自発回転、電子サイクロトロン加熱が駆動する自発回転のそれぞれの効果を切り分けて評価した。そして、電子サイクロトロン加熱による運動量輸送の劣化と、電子サイクロトロン加熱による自発回転の入射位置と回転方向の依存性を明らかにした。 また、世界のトカマク装置において、運動量輸送に関する比較やデータベース活動を行い、プラズマ回転分布の物理機構の理解を進めた。ここでは、様々な工学パラメータと物理量のパラメータをスキャンし、そこから得られたデータを整理し、運動量輸送係数の依存性を調べている。将来の核融合炉装置における回転予測に向けたモデリングやスケーリングの構築に役立つデータベースを開始することが出来た。 以上の研究成果をまとめ、JT-60装置における運動量と自発回転に関する研究成果は、"Physical Review Letters誌"と"Nuclear Fusion誌"に発表し、世界のトカマク装置における運動量のデータベース活動については、米国および日本で開催された「Transport and Confinement ITPA Meeting」で発表した。
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