2009 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線レーザーを用いた物質表面微小変位の高時間分解イメージング手法の開発
Project/Area Number |
20740326
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
越智 義浩 Japan Atomic Energy Agency, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (20370372)
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Keywords | 軟X線レーザー / ダブルロイズ型干渉計 / ポンプ&プローブ / アブレーション |
Research Abstract |
実施期間において、光誘起相転移やアブレーションに伴い固体表面に生じる微小変位のダイナミクスを観測するための計測手法の開発を行った。波長13.9nm、時間幅7psの軟X線レーザーをプローブ光とし、イメージングと干渉計測による位相計測を組み合わせることにより、3次元イメージのピコ秒スナップショット画像の取得を行う。本年度は、平成20年度に開発した装置の分解能向上を目的とし、サンプルへの入射角を4°から20°へと変更した上で、白金基板上にFIB(Focused Ion Beam)にて書き込んだ微細構造(幅: 0.5~8μm、深さ: 6nm)をテストパタンとした分解能評価試験を実施した。結果、サンプル上での2次元平面分解能が約1μm、深さ方向の分解能は1nm以下を達成していることを実験的に検証した。また、撮像はシングルショットで行っていることから本装置の時間分解能(露光時間)は7psである。本干渉計を用いた固体表面における微小変位を伴う過渡現象の時間分解イメージングを実施するため、ポンプ光として10TW級のチタンサファイヤレーザーを導入し、ポンプ&プローブ光学系を構築した。プローブ光とポンプ光の時間同期を行った後、白金をターゲットとしポンプ光によりアブレーションを起こし、その初期状態の観察を行った。結果、レーザー照射から10~100psの時間スケールにて固体がアブレーションする直前に周辺部が隆起するプレアブレーション現象を実空間にて初めて観測する事に成功した。本研究の成果は、査読付論文誌(Japanese Journal of Applied PhysicsのRapid Communication)に掲載された他、2件の国際会議、6件の国内学会(シンポジウム含む)にて発表を行った。
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Research Products
(9 results)