2009 Fiscal Year Annual Research Report
惑星圏プラズマの同位体計測を目的とした高分解能TOF型質量分析器の開発
Project/Area Number |
20740327
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
横田 勝一郎 Japan Aerospace Exploration Agency, 宇宙科学研究本部, 助教 (40435798)
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Keywords | 質量分析 / 同位体計測 / 惑星プラズマ |
Research Abstract |
惑星圏プラズマ観測において重要とされる同位体計測用TOF型質量分析器の開発を行った。昨年度に数値モデルによって設計製作した分析器テストモデルを用いて、所属する宇宙科学研究所の粒子計測器試験設備を利用して、印加電圧への耐性の確認及びイオンビームを使った性能試験を行った。電圧耐性試験として分析器内に予定する最高電圧を10時間以上印加して、放電が起きないことを確認した。性能試験は1キロエレクトロンボルト(keV)イオンビームを使用して行った。本分析器は10eV程度のイオンを観測対象とするが、実験室の設備としてイオンビームの最低エネルギーが1keVであったため、目標とする質量分解能100>m/△mの確認にまでは至らなかった。しかしながらこの実験結果は試験時のパラメータを使った数値モデルとよく一致し、設計通りに分析器が開発できたことを確認した。数値モデル上は質量分解能100>m/△mの質量分解能は達成しているので、今回の試験結果は性能試験時に観測対象とする10eV程度のイオンビームを準備出来れば、本分析器は質量分解能100>m/△mを十分達成できたであろうと言える。試験系の改修は今後の課題である。地球電磁気・地球惑星圏学会において、今年度行った性能試験実験によって将来惑星探査に向けた高分解能の質量分析の基礎技術を確立したことを発表した。今回の購入したPC等の物品によって、性能試験時の実験データ取得系及び分析器の引加電圧制御のシステムを構築した。
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