2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞機能をプローブする新しい分子イメージング法の開発
Project/Area Number |
20750005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加納 英明 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (70334240)
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Keywords | コヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱 / CARS / フォトニック結晶ファイバー / 白色レーザー / 顕微分光 / 生細胞 |
Research Abstract |
ラマン分光法は,生きた細胞内の分子分布やその構造変化を,非染色・非破壊・非侵襲で観測することのできる,非常に強力な方法である.分子の構造変化は,ラマンスペクトルの微細な変化として現れるが,これらは分子からの直接の情報に他ならない.そこで本研究では,ラマンスペクトルの変化を高感度・高速かつ高空間分解能で検知できる,まったく新しい分子イメージングシステムを構築し,生細胞内における細胞機能発現のダイナミクスを分子レベルで可視化することを目指して研究を行った.本年度は,出芽酵母生細胞を試料として用い,コヒーレント・アンチストークス・ラマン散乱(coherentanti-Stokes Raman scattering : CARS)に基づく分子イメージングを行った.マルチカラーイメージ一枚につき12秒の高速測定で動態追跡を行った結果,ミトコンドリアの代謝活性をプローブするラマンバンドの消失と,液胞内に生じるdancing bodyと呼ばれる顆粒の出現に明らかな相関があることがわかった.CARSの持つ"ラベルフリー・マルチカラー・高速イメージング"という特徴を活かすことで,生細胞のダイナミクスをin vivo追跡することに成功した.
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