2009 Fiscal Year Annual Research Report
搬送波位相制御極短レーザーパルスを用いた多光子顕微鏡の開発
Project/Area Number |
20750006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
沖野 友哉 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 助教 (40431895)
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Keywords | 搬送波位相 / 多光子顕微鏡 / 極短パルス / 白色光 / 三次元顕微鏡 |
Research Abstract |
本年度は、搬送波位相制御レーザーパルスを用いた多光子顕微鏡の開発を行うために、搬送波位相制御レーザーパルスの高輝度化を行った。発振器の出力について、長時間、100mrad以下の精度で搬送波位相制御が行うことができることを確認した。しかし、出力が多光子吸収を誘起するには不十分であったことから、再生増幅器およびマルチパス増幅器で発振器出力を増幅後、増幅出力の搬送波位相を制御することとした。増幅出力の搬送波位相は、f-2f干渉計で計測を行い、現在のところ、300mradの位相誤差で3時間ほど制御できることを確認した。増幅後のパルス幅は、最短で30fs程度であり、搬送波位相の効果は小さく、三次元多光子顕微鏡を作成するにはふさわしくない。そこで、搬送波位相の効果が顕著に表れてくる5fsの極短パルスの発生を目的とし、差動排気型中空ファイバーパルス圧縮器(長さ1m、外径3mm、内径0.3mm)の製作およびその性能評価を行った。その結果、3mJ(40fs)の入力に対して、2mJの5fsパルスの発生を確認した。パルス圧縮後のポインティング安定性および出力安定性が、差動排気中空ファイバーパルス圧縮器の採用によって大きく改善され、顕微鏡製作に十分であることが確認できた。また、サンプル中において最短パルスを達成するためには、あらかじめレーザー光がサンプルに到達するまでに加わる正分散を補償する必要があることから、負分散量の大きいチャープミラーを用いることおよび、チャープミラーの反射回数を変化させることによって、負分散量の高精度制御を可能とした。
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