2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750022
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山田 和彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80373380)
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Keywords | NMR / カルシウム / タンパク質 |
Research Abstract |
生体分子中のカルシウムイオンの動的挙動観測を目指した新規実験手法として、固体カルシウム核磁気共鳴(NMR)法の開発を行った。カルシウムは人体内において、最も多く含まれるミネラルのひとつであり種々の生理作用に深く関与している。例えば、カルシウムを含むタンパク質は細胞内のカルシウムイオンを細胞外に運び出す役割を担うことや、心臓などの筋肉および骨格筋の収縮はカルシウムイオン濃度によって調整されていることが知られている。これらカルシウムタンパク質中のカルシウムイオンの直接的な動的挙動解析や詳細な分子メカニズムの解明は、脳卒中治療薬の設計や遺伝性心疾患などの疫病の研究に役に立つと期待されている。 NMR測定法は化学や物理のみならず生物の分野においても、標準的な実験手法として幅広く普及している。残念ながら、従来の研究では主に^1H,^<13>C,^<15>Nなどスピン数(I)が1/2である双極子核にほぼ限定されている。本研究では四極子核(I>1/2)であるカルシウム43を対象にしたNMR法の開発を行い、高磁場NMR装置を活用して線幅の広いNMRスペクトルの観測を試みて、複雑な線形を示すスペクトル解析法を確立した。
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Research Products
(2 results)