2008 Fiscal Year Annual Research Report
3次元的な構造修飾性を有するヒドリンダセンマクロサイクルの構築とその動的構造制御
Project/Area Number |
20750024
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
河合 英敏 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 助教 (50322798)
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Keywords | 超分子 / 動的挙動 / マクロサイクル / 分子認識 / ナノチューブ |
Research Abstract |
A. 回転が束縛されたヒドリシダセンユニットで構成される3次元的によく定義された方向への構造修飾性をもつマクロサイクルの構築 H20年度は、先に合成したヒドリンダセン骨格の2, 6位をジイン結合によって連結したマクロサイクルにおけるモノマーユニットである2, 6-ジエチニルヒドリンダセン誘導体の効率的合成法を開発した。また、マクロサイクルの鉛直方向への構造修飾性を検討すべく、4, 8-ジブロモヒドリンダセン誘導体への鈴木-宮浦カップリングによるアリール基およびアルケニル基の導入を検討した。 B. 回転可能なヒドリンダセンユニットで構成される刺激応答型マクロサイクル構築 H20年度は、双極子-双極子相互作用と電荷-双極子相互作用をスイッチングさせることでヒドリンダセン骨格の回転配向制御が可能なマクロサイクルを構築する目的で、マクロサイクル上にCN基をもつヒドリンダセンユニットを双極回転子として配し、その近傍に双極性官能基(F基)を環内に配向させるように固定化させた分子を合成した。このマクロサイクルにおけるヒドリンダセン回転子は、非極性溶媒中では互いに双極子を打ち消しあうようにCN基をマクロサイクルの外側に向けた配座を優先的にとることがわかり、X線構造解析によってもその構造を明らかにすることに成功した。さらに外部刺激としてNaイオンを添加した場合、回転子のCN基がマクロサイクルの内側に向いた配座へと変化した。タラウンエーテルによりNaイオンを補足すると回転子の配座は元の配座に戻ることがわかり、外部刺激による回転配向制御が達成された。
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