2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750039
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
東林 修平 Institute for Molecular Science, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助教 (30338264)
|
Keywords | バッキーボウル / キラルバッキーボウル / スマネン / C_3対称 / 不斉合成 / 光学分割 / ボウル反転 |
Research Abstract |
1) sp^3不斉炭素に由来する不斉をおわん不斉に転写する段階的液相合成戦略に基づいて、C_3対称キラルバッキーボウル、トリメチルスマネンの不斉合成研究を行い、Pd触媒syn選択的環化三量化反応による光学活性syn-トリス(ノルボルネノ)ベンゼンの合成、タンデム開環/閉環オレフィンメタセシス反応、低温での酸化的芳香環化を鍵段階としてに世界で初めておわん不斉を有するキラルバッキーボウルの不斉合成に成功した。 (2) ラセミ体のトリメチルスマネン誘導体であるトリメチルトリス(トリメチルシリル)スマネン、トリメチルスマネントリオンのキラルHPLCを用いた光学分割に取り組み、キラルバッキーボウルの光学分割を世界で初めて達成し、光学活性なスマネン置換体を調製する手法を確立した。 (3) 不斉合成または光学分割によって得られた光学活性なスマネン置換体のCDスペクトル測定よりそのボウル反転エネルギーを実験的に決定する手法を確立し、これらのボウル反転エネルギーを決定した。この結果、バッキーボウルの構造とボウル反転エネルギーの相関に関する新たな知見を明らかにした。 (4) C_3対称スマネン置換体の汎用的合成法としてトリス(ヒドロキシメチル)スマネンの合成法を確立し、これによって種々の置換基を有するC_3対称スマネン置換体の合成が可能となった。 (5) トリアザスマネンの合成研究として、置換スマネン合成法と同様にして、酸化前駆体であるハイドロトリアザスマネンの合成の合成を達成した。
|