2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750042
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉沢 道人 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 准教授 (70372399)
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Keywords | 自己組織化 / 平面状金属錯体 / 集積化 / 配位結合 / スピン-スピン相互作用 |
Research Abstract |
本研究は、平面状金属錯体を簡便かつ精密に集積する新規合成法を開発し、前例のない金属集積体を合理構築するとともに、その特異物性を探索することを目的とした。これまで申請者は、パネル状3座配位子とピラー状2座配位子とパラジウム錯体を水中で混合し、これに芳香族分子を添加するだけで、箱型錯体空間が一義的に組み上がることを見出してきた。この空間内には、2分子および3分子の芳香族分子が選択的に集積できる。また、強いπ-スタッキングが期待できる巨大色素分子、ポルフィリンやアザポルフィリン金属錯体に着目し、これらを集積ブロックとして用いることで、多重金属集積体を一義的に構築することに成功した。本年度の研究では、金属-芳香環相互作用の誘起を目指して、平面状金属錯体と箱型錯体骨格の金属(d)-芳香環(π)相互作用に起因する、磁性の制御(スピンクロスオーバー)を検討した。平面四配位のビス(アセチルアセトイミナト)ニッケル(II)錯体は通常、赤色を呈して反磁性である。このニッケル錯体を水中で無色の箱型錯体内に、1分子または2分子包接させることで、溶液は濃緑色に変化した。その磁化率測定から、包接錯体は常磁性であることが明らかになった。また、結晶構造解析から、ニッケル中心のジオメトリーは包接の前後で変化しないことが示された。すなわち、この磁性変化は包接のON-OFFで可逆的に起こることから、包接によるスピンクロスオーバーを初めて達成した。
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Research Products
(10 results)