2009 Fiscal Year Annual Research Report
局在プラズモン共鳴散乱分光を利用したタンパク質の反応・構造変化計測法の開発
Project/Area Number |
20750054
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
藤原 一彦 Akita University, 工学資源学部, 助教 (10375222)
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Keywords | 金ナノ粒子 / 局在表面プラスモン共鳴 / 共鳴光散乱 / プラズモンカップリング / タンパク質 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,ガラス表面へ金ナノ粒子間にタンパク質を固定化した複合体の作製、及びATPase活性を有するタンパク質についての構造変化をプラズモンカップリングによる時間分解測定により検討を行った.加えて,ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴光散乱を利用した抗原抗体反応測定についても検討を行った. プラズモンカップリング測定においては粒子径50nmの金ナノ粒子を調製し使用した.ガラス基板表面は3-アミノプロピルトリメトキシシランにより修飾しナノ粒子分散液を滴下し固定化を行った.基板表面の粒子密度は走査型プローブ顕微鏡を用いることで評価し,固定化条件の最適化を行った.固定化したナノ粒子表面へはチオール化合物による自己組織化単分子膜(SAM)を形成させた後,アミンカップリングを利用し,タンパク質をSAM末端へ結合させた.さらに同じ粒子径のナノ粒子をあらかじめSAMにより被覆したものを調製し,上記のタンパク質へさらにアミド結合させガラス表面にナノ粒子-タンパク質-ナノ粒子からなる複合構造を構築した.構造変化観察の検討にはHSP70を使用した. 上記反応条件の設定後,ATP加水分解に伴うHSP70の構造変化周期の観測について検討した.得られた時間分解測定の結果より,HSP70が周期的に構造を変化させていることが示唆された。現在反応メカニズムの詳細を解析するため,より詳細な測定条件の検討を行っている. ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴光散乱を利用した抗原抗体反応測定においては,照明光の照射方法や検出系の精査によりこれまでよりも1-2ケタ程度感度を向上する指針が得られた。
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