2008 Fiscal Year Annual Research Report
核酸塩基認識能を有する水素結合性希土類錯体の創製と核酸配列・構造解析への応用
Project/Area Number |
20750055
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉本 敬太郎 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (60392172)
|
Keywords | 核酸 / 分子認識 / ランタノイド錯体 / 遺伝子診断 / 蛍光識別 / エネルギー移動発光 |
Research Abstract |
水素結合性核酸塩基認識試薬であるAMNDとランタノイド形成部位であるDOTAをコンジュゲートした新規化合物AMND-DOTAの合成法を確立し、その核酸塩基認識能を評価するとともにテルビウムイオンとの錯体であるAMND-DOTA(Tb)の機能評価を行った。その結果、以下のことが明らかとなった。1. ナフチリジンがエネルギー移動発光用のアンテナ蛍光団として利用可能であること、2. 中性溶液環境下でピリミジン塩基選択性を示す2-amino-5, 7-dimethyl-1, 8-naphthyridine (ND)の塩基選択性を維持したまま、DOTA骨格の導入が可能であること(アミドタイプのナフチリジンが中性溶液中にてピリミジン塩基選択性を示した初の例)、3. DOTA骨格導入により、NDのピリミジン塩基結合能を保持できること、4. DOTA骨格へTbイオンを配位させることで、ピリミジン塩基選択性が消失すること。以上の成果をふまえ、AMND-DOTAとAMND-DOTA (Tb)の混合溶液を利用することで、核酸塩基配列中の一塩基変異を水色から緑色への変色応答により識別可能であることを見出した。従来の蛍光変色を検出原理とする遺伝子診断法は、プローブオリゴの末端に色素を修飾したものを利用するが、本研究で提案する遺伝子蛍光診断法はそのような蛍光団修飾プローブオリゴを用いない点に新規性がある。
|