2008 Fiscal Year Annual Research Report
細菌性毒素の新規磁気分離濃縮-電気化学センシングシステムの開発
Project/Area Number |
20750057
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
倉光 英樹 University of Toyama, 理工学研究部(理学), 准教授 (70397165)
|
Keywords | 毒素タンパク質 / 電気化学検出 / 磁性マイクロ粒子 / 電極活性物質 / 対流ボルタンメトリー / 磁気分離 |
Research Abstract |
近年、磁性マイクロ粒子は生体分析分野などで、アッセイの高感度化、簡便化に有効なツールとして用いられている。例えば米国のW. R. Heinemanらの研究チームは、磁性マイクロ粒子を流動性担体として使用することにより、簡便、高感度なサンドイッチ型ELISAを開発し、タンパク質やウイルスなどの電気化学的アッセイを達成している。 本研究では、酵素免疫定量法(ELISA)などの従来法よりも、簡便・迅速で、利便性の高い新しい細菌性毒素タンパク質の電気化学的スクリーニング試験の開発を目的とする。細菌性毒素と親和性を有するスフィンゴ糖脂質と、電極活性物質を表面に修飾した磁性マイクロ粒子(直径ca.0.1〜3μm)を作製し、この機能化磁性マイクロ粒子を利用し、試料中に含まれる細菌性毒素の磁気分離・高濃縮を伴う、酵素を利用しない、新しい電気化学センシングシステムの開発を目指す。 本年度は、磁性マイクロ粒子の選択とそれに修飾する電極活性物質を選択した。磁性マイクロ粒子として、磁気分離の容易さを考えて直径1μmのカルボキシル基、またはアミノ基を修飾したものを選択し、それらの溶液からの磁気回収法について検討した。電極活性物質としては、チオニン、1, 5-ジアミノアントラキノン、1, 1-フェロセンジカルボン酸、ピロロキノリンキノンを選択し、それぞれの液滴(40μL)中での対流ボルタンメトリック応答を調査した。その結果、チオニンから最も良好な電流応答が得られたため、チオニンを修飾した磁性マイクロ粒子を調整し、その電流応答の効率的な検出を検討した。チオニン修飾磁性粒子にさらに糖を化学結合させ、レクチンをモデルタンパク質として検出を試みたところ、10^<-7>Mのタンパク質が検出可能であるということがわかった。
|