2008 Fiscal Year Annual Research Report
ルテニウム-白金ヘテロ二核錯体の協同的形成を利用した高感度遺伝子解析法の開発
Project/Area Number |
20750064
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
北村 裕介 Chuo University, 理工学部, 助教 (80433019)
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Keywords | 質量分析 / 核酸 / 遺伝子 / ルテニウム錯体 / 白金錯体 / 協同性 |
Research Abstract |
本研究では、膨大な遺伝情報を簡便かつ迅速に解析するために、「高選択的で高感度、ハイスループットでかつ酵素フリーなSNP解析」システムの確立を目的とした。 質量分析の対象をDNAではなく,より良好なイオン化効率を有する金属錯体にすることで、高感度化を目指した。ルテニウム及び白金が有する特徴的な同位体存在比を質量タグとして利用することで、標的の情報のみを分離操作なしに簡便に得ることができると考え、これらのコンセプトを取り入れたプローブを設計し、合成を行った。 1. ルテニウム錯体_ODNコンジュゲートの合成 当初、ルテニウム錯体ーシステイン(側鎖SHはモノメトキシトリチル基保護)コンジュゲートのカルボン酸活性エステルを合成し、これと末端アミノ化ODNとのカップリング反応により目的とするプローブの合成を液相で行う予定であったが、ルテニウム錯体-システインコンジュゲートの反応牧率が低く、単離が難しかったため、DNAユニットの合成を行う固相単体上に同ユニットをDNA合成の開始点として組み込むこととし、その前駆体の合成に成功した。 2. 白金錯体-ODNコンジュゲートの合成 白金錯体ーシステイン-アルギニンコンジュゲートのカルボン酸を合成し、これと固相上の末端アミノ化ODNとの縮合反応により目的とするプローブの合成を行った。合成したプローブは逆相HPLCにて単離した。MALDI-TOFMSにより質量分析を行った結果、目的物の理論値と同じ値を得たため、コンジュゲートの合成に成功したと考えられる。
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