2009 Fiscal Year Annual Research Report
吸収応答SPRの高感度界面選択性を用いた分子配向検出法
Project/Area Number |
20750065
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
池羽田 晶文 National Agricultural Research Organization, 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所 食品分析研究領域, 主任研究員 (40342745)
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Keywords | 吸収応答SPR / 界面選択制 / 反射分光法 / 分子配向膜 / 近赤外分光法 / 結合音 / 赤外分光法 |
Research Abstract |
伝播型の表面プラズモン共鳴(SPR)は入射光の偏光方向によって異なる応答を示す.本研究を通して,代表研究者が開発してきた吸収応答SPRにおいてもこの特徴は有効であることを確認した.この方法は金属薄膜のSPRによって吸収感度を増強する点で高感度反射分光法(RAS)の内部反射版と言える.吸収応答SPRをRAS同様に界面選択性を有する分光法反射分光法の一つとして確立することが本課題の命題である.具体的な課題として(1)吸収応答SPRスペクトルの面内,面外成分への分離,(2)吸収応答SPRの波長域拡張と共鳴・非共鳴条件の最適化の2つを柱に研究を進めた.まず(1)に関して,一軸延伸高分子膜を試料として吸収応答SPRの偏光応答特性について調べた。延伸ポリエチレン膜ではエチレン鎖がSPRプローブの金薄膜基板と平行となる.一方で過去に行ったアラキン酸カドミウム塩のLB膜ではアルキル鎖は金薄膜基板に垂直である.これらの結果から,吸収応答SPR分光法は面外モードの吸収バンドを選択的にとらえる高感度反射分光法であることが示された.またこの結果をもとに,異なる高分子膜においても同様の実験を行った.(2)については,明確な界面選択制を利用してまずバンドの帰属が不十分である結合音帯域(近赤外)の解釈を進めた.本年度はこのために透過性の良いフッ化物ファイバーを導入し,結果的に不明であったいくつかの結合音の帰属を明らかにすることができた.以上の成果は国際近赤外分光会議にて報告した.また可視領域での吸収応答SPR測定を行うための装置と,赤外域対応の角度可変SPRアクセサリーを完成させた.
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