2009 Fiscal Year Annual Research Report
高機能性コポリマー合成を指向したマイクロフロー精密付加重合法の開発
Project/Area Number |
20750077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永木 愛一郎 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (80452275)
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Keywords | マイクロ化学 / 有機合成化学 / 高分子化学 |
Research Abstract |
マイクロフローシステムを用いたトリフルオロメタンスルホン酸(TfOH)を重合開始剤とする各種ビニルエーテル類(n-ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル)のカチオン重合反応において、一定の濃度の開始剤とモノマーのそれぞれの流速を連続的に変化させることで、分子量分布の制御された様々な数平均分子量の連続的なポリマー合成が可能であることを見出した。また、スチレン類だけでなくメタクリル酸エステル類(メチルメタクリレート、tert-プチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート)のリビングアニオン重合において、(1,1-diphenylhexyl)lithiumなどの立体的に嵩高いソフトな反応性をもつ重合開始剤を用いることで、-28~20℃で分子量分布1.1前後の制御可能なマイクロフローシステムの構築に成功した。さらに、複数のマイクロリアクターとマイクロチューブリアクターを組み合わせ、多種多様な高機能性コポリマー合成を可能とする連結型マイクロフローシステムの開発の検討を行った。具体的には、アニオンポリマー成長末端活性種とトリメチルクロロシラン、クロロメチルビニルシランなどの親電子剤との反応を試みた結果、マイクロミキサー、マイクロチューブリアクター、溶媒、濃度、流速、重合反応温度などを最適化することで、最終的には、ジクロロジメチルビニルシランなどのジクロロシラン類とポリマー成長末端との当量関係を精密にコントロールすることが可能となり、ケイ素をコアーにしたブロックコポリマーの効率的な合成が可能となった。
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Research Products
(13 results)