2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビスアミジン骨格を設計基盤とするブレンステッド酸-金属複合機能触媒の開発
Project/Area Number |
20750082
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山中 正浩 立教大学, 理学部, 准教授 (60343167)
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Keywords | ビスアミジン配位子 / 亜鉛ビスアミジナート / ルイスーブレンステッド複合酸 / 不斉アルキル化反応 / 不斉向山アルドール反応 / 不斉Friedel-Crafts反応 / 金属触媒 / 有機分子触媒 |
Research Abstract |
本研究では、近年の均一系触媒の開発において2つの大きな潮流となっている有機分子触媒と金属触媒を分子設計レベルで融合させ、高機能・多機能な触媒作用を発現する複合機能触媒を開発する。今年度は昨年度に引き続き、(1)キラル亜鉛ビスアミジナート触媒、(2)カチオン性キラルZn(II)-ビスアミジン触媒、及び関連研究として(3)キラルリン酸触媒による不斉合成反応に関する理論的検討を行った。(1)については、(R,R)-シクロヘキサンジアミンを母骨格として配位子末端に9-Anthryl基を導入したキラルビスアミジン酎位子存在下(10mol%)、アルデヒドとα-ケトエステルの共存系に対してEt_2Znを作用させると、α-ケトエステルのみ官能基選択的かつエナンチオ選択的に付加反応が進行することを見出した。亜鉛ビスアミジナート触媒は、α-ケトエステルに対する不斉アルキル化反応に対して有効なサレン-Ti触媒がアルデヒドに対しても活性を示すのに対して、完全に官能基選択的にα-ケトエステルに対してのみ活性を示すことが分かった。(2)については、(R)-DABN骨格を導入したキラルビスアミジン配位子、ZnCl_2、AgSbF_6から調製したカチオン性Zn(II)-ビスアミジン錯体を10mol%用いて、ベンゾイルギ酸メチルの不斉向山アルドール反応について検討したところ、フルオロアルコールの興味深い添加効果を見出し、良好なエナンチオ選択性でアルドール生成物を得る事ができた(up to 60% ee)。(3)については、(R)-BINOLから調製されるキラルリン酸ジエステルによるニトロアルケンとインドールの不斉Friedel-Crafts反応について理論的検討を行い、協奏的活性化機構やBINOL部位の3,3'-位置換基効果を解明した。
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