2009 Fiscal Year Annual Research Report
高密度高分子集積体を基盤としたプロトン伝導性ナノ薄膜の構築
Project/Area Number |
20750083
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松井 淳 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 助教 (50361184)
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Keywords | プロトン伝導膜 / 高分子ナノシート / スルホン酸誘導体 / Langmuir-Blodgett膜 |
Research Abstract |
近年、電子機器の小型に伴い、れらのエネルギー供給源となる電池部分に関し、構成材料の高性能化を目指した研究が近年注目を集めている。なかでも電解質媒体として、従来の電解液を固体高分子電解質(SPE)で代替した全固体型電池を薄膜化、小型化する試みが盛んに行われている。本研究は高密度に集積した高分子ナノ薄膜"高分子ナノシート"を基盤に用い、このポリマーにプロトン伝導性部位を共重合により導入することでプロトン伝導性を有するナノメートル厚さの高分子超薄膜を作製することを目的とする。昨年度はプロトンソースとして2-arylamide-2-methylpropanesulfonate(AMPS)を共重合により高分子ナノシートに導入し、加湿下60nm厚さ室温,RH=100%で10^<-6>S/cm,70℃ RH=100%で10^<-3>S/cmのプロトン伝導を示すナノシートp(DDA/AMPS)の作製に成功した。本年度は塩基性であるアミノ基を有する高分子ナノシートをp(DDA/DONH)合成した。p(DDA/DONH)は厚さ2.3nmの均一な高分子ナノシートを形成した。このp(DDA/DONH)とp(DDA/AMPS)とヘテロ積層することで酸-塩基型のプロトン伝導性高分子ナノシートを作製した。得られた積層体は室温RH=100%で10^<-2>S/cmのプロトン伝導性を示し、さらにRH=43%においても10^<-6>S/cmのプロトン電導度を示した。
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