2009 Fiscal Year Annual Research Report
グラフトフロム法による高密度環状グラフト共重合体の創製
Project/Area Number |
20750086
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
足立 馨 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (40401533)
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Keywords | 高分子合成 / ナノ材料 / トポロジー |
Research Abstract |
次世代の科学技術を支えるボトムアップ型ナノテクノロジーを目指したグラフトフロム法による環状グラフト共重合体の合成において、環状グラフト共重合体の主鎖骨格となる環状高分子開始剤の合成を設計し、合成を行った。メチルフェニル基はテトラメチルエチレンジアミン存在下でのブチルリチウムによるリチオ化により、アニオン重合の開始剤となりうる。そこでアニオン重合の環状高分子開始剤となる、繰り返し単位にメチルフェニル基を持つ環状ポリp-メチルスチレンを用いた太陽型高分子の合成検討を行った。ナトリウムナフタレンを開始剤に用いたp-メチルスチレンのアニオン重合の停止剤に、5-プロモ-1-ペンテンを用い、両末端に二重結合を有するテレケリックポリp-メチルスチレンを得た。続いて得られた高分子をジクロロメタン中高希釈条件下で第一世代グラブス触媒を添加することにより、閉環メタセシス反応を行い、効率的に環状ポリp-メチルスチレンを得た。得られた環状高分子にs-ブチルリチウムおよびテトラメチルエチレンジアミンを加え、ペンダントトリル基のリチオ化を行い、環状高分子開始剤を得た。得られた環状高分子開始剤にスチレンモノマーを加え、リビングアニオン重合を行うことで、グラフトフロム法による環状グラフト高分子の合成に成功した。得られた高分子はGPCおよび^1H-NMRにて同定した。また、2-ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基をベンジル基で保護した後、原子移動ラジカル重合(ATRP)を用いて重合し、続いてその両末端をアリル化することで、テレケリックポリマーを合成した。続いて高希薄条件下にて高分子両端での閉環メタセシス反応(RCM)を行うことにより、環状高分子開始剤の合成に成功した。
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