2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体可溶型π共役高分子の創製と溶液中における物理化学的挙動の解明
Project/Area Number |
20750087
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
小久保 尚 Yokohama National University, 工学研究院, 特別研究教員 (80397091)
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Keywords | π共役高分子 / ポリフルオレン / 蛍光共鳴エネルギー移動 / ポリエーテル |
Research Abstract |
ポリエーテルグラフト型ポリフルオレンをアニオン重合、脱ハロゲン化重縮合によって合成した。ポリエーテルとしてポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルグリシジルエーテル)を選択した。これらを導入することにより得られたポリフルオレンは多くの有機溶媒、イオン液体に可溶化した。イオン液体中で温度応答性を有するポリ(エチルグリシジルエーテル)を側鎖に導入したポリフルオレンも、低温相溶・高温相分離のLCST型相挙動を示した。曇点以上になると、イオン液体中で液一液の相分離が確認された。蛍光強度は曇点前後で大きな変化は見られなかった。 ポリフルオレン主鎖にアクセプター性が高いベンズチアジアゾールを導入し、溶解挙動の変化による蛍光色の制御を目的として、ポリエーテルグラフト型ポリ(フルオレンーベンズチアジアゾール)共重合体の合成を行った。得られた高分子は多くの有機溶媒に可溶であったが、イオン液体への溶解性は低下した。これは剛直な主鎖に対してイオン液体可溶性部位であるポリエーテルの割合が減少したことによると考えている。合成した高分子の低濃度で蛍光測定(励起光=365nm)をするとポリフルオレン由来の青色蛍光が観測されたが、高濃度溶液やキャスト膜ではベンズチアジアゾール由来の黄色蛍光が観測された。これは溶解挙動によって分子間エネルギー移動によるものであると考えられる。このように外部刺激によって溶解挙動を変化させることが可能となれば、様々なセンシング素子に応用できるものと考えられる。
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Research Products
(5 results)