2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750088
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三浦 佳子 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (00335069)
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Keywords | 糖鎖高分子 / リビングラジカル重合 / ナノ材料 / 生体高分子 / グラフト重合 / バイオミメティクス / 高分子医薬 / 有機無機複合材料 |
Research Abstract |
高分子の側鎖に糖鎖を持つ、"糖鎖高分子"を用いて、病原性タンパグ質や細菌と効率よく結合する高分子を合成、重合法とその生理活性の検討、また、病原体を除去するための複合材料の検討を行った。平成20年度研究では、グリコサミノグリカンという生理活性多糖に含まれる、硫酸化糖、ウロン酸に含まれる糖鎖をベースにして、新規糖鎖高分子の合成を行った。その他に、マンノースやガラクトースを側鎖に有する糖鎖高分子の合成を行った。高分子の重合法として、RAFTリビングラジカル重合を利用して、分子量を制御すると同時に末端にチオールを持つ高分子を合成した。チオールは金や白金、マレイミドと結合する性質があり、複合材料を容易に形成することが可能である。 先ず、グリコサミノグリカンモデル高分子を利用して、アルツハイマーアミロイドの凝集抑制材料の開発を行った。この材料はアミロイドβタンパク質と結合して凝集を防ぐとともに、特に硫酸化糖成分がアミロイドβの凝集核の形成を防ぎ、ウロン酸成分が線維の伸張を防ぐことを明らかにした。また、リビングラジカル重合を利用して、末端に官能基を導入して、金属微粒子や基板と複合化した材料を調製し、これらが病原体と高い結合性を示し、同時にナノ材料の特性に基づいて光学的なレスポンスをすることを示した。また、金属微粒子と結合させた場合には、微粒子と複合化することで、微粒子を細くして病原体を除去できることを示した。
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