2008 Fiscal Year Annual Research Report
電位依存全反射赤外分光法によるNafionの水和構造に関する研究
Project/Area Number |
20750089
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
森田 成昭 Nagoya University, エコトピア科学研究所, 助教 (20388739)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / Nafion / 水和構造 / 赤外分光法 / 全反射赤外分光法 / 電位依存 |
Research Abstract |
電位依存全反射赤外分光法を実現するために, フーリエ変換型赤外分光装置に組み込む反射光学系を設計・作製し, 試料に電位を印加するための電極を準備した. また, 研究課題であるNafionの水和構造を調べる予備実験として, 窒素ガスによりNafionを充分に乾燥させた後, 気体水, 或いは液体水を含水させて全反射赤外スペクトルを測定した. その結果, 窒素ガスにより充分乾燥させたNafionでも, Nafion鎖側鎖末端に存在するスルホン酸基当たりに1分子の水が水和しており, スルホン酸基と水分子との水素結合が存在すると思われる全反射赤外スペクトルの傾向が観察された. また, Nafionに気体水を飽和含水させると, 側鎖末端スルホン酸基当たりに14分子の水が水和し, スルホン酸基と水分子との水素結合だけでなく, 水分子同士の水素結合によるネットワーク構造に由来すると思われる全反射赤外スペクトルの傾向が観察された. これらの結果は, 今後実施するNafionの電位依存全反射赤外分光において, 有用な情報が得られる可能性を示しており, さらなる研究の進展により, 固体高分子形燃料電池における高分子電解質膜(Nafion)の材料物性評価の実現が期待できる.
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