2008 Fiscal Year Annual Research Report
"準ソフト系"コロイド結晶における構造固定化技術の開発
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20750092
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Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
森永 隆志 Tsuruoka National College of Technology, 物質工学科, 助教 (30467435)
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Keywords | コロイド結晶 / 濃厚ポリマーブラシ / 複合材料・物性 / 高分子合成 / 高分子構造・物性 |
Research Abstract |
シリカ微粒子(Sip)表面からのリビングラジカル重合を経て合成された濃厚ポリマーブラシ/Sip複合体の、濃厚ポリマーブラシ層を構成するグラフト鎖の末端を開始基として、反応性の官能基を有するモノマーのブロック共重合を行い、最外郭に化学修飾が可能な反応性の側鎖を含有する濃厚ポリマーブラシ/Sip複合体の合成を行った。続いて、導入した反応性の側鎖を光ラジカル重合によって架橋が進行すると期待されるビニル基に変換することで、最外郭に架橋性側鎖を有する濃厚ポリマーブラシ/Sip複合体の合成に成功した。 上記で合成した、最外郭に架橋性側鎖を有する濃厚ポリマーブラシ/Sip複合体を用いて、準ソフト系コロイド結晶を作成した。調製したコロイド結晶に紫外光を照射して光架橋を試みたが、系全体のゲル化には至らなかった。これは、アルダー転移を経てコロイド結晶を形成する際に、結晶化に必要な自由体積が存在し粒子間の架橋を妨げていることに起因すると考えられる。そこで、架橋性側鎖を有する遊離ポリマー鎖の系中への添加を行った。膨潤した濃厚ポリマーブラシ層はサイズ排除効果を有するため、流体力学的半径が大きい遊離ポリマー鎖は濃厚ポリマーブラシ層の内部には進入できず、粒子間の自由体積部のみに局在することになる。数wt%の遊離ポリマーを添加した系においてもコロイド結晶化が確認され、光照射により系全体がゲル化したが、結晶構造に由来する構造色の消失し、結晶構造の崩壊が示唆された。さらに、照射光強度を最適化することで、結晶構造を保持しつつ、約1時間程度の照射時間で系全体が均一にゲル化する条件を確立した。準ソフト系コロイド結晶における結晶構造の固定化方法を確立は、コロイド結晶の実用化に向けて大きな前進をもたらすものである。
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Research Products
(1 results)