2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750093
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高島 義徳 Osaka University, 理学研究科, 助教 (40379277)
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Keywords | 超分子化学 / 超分子ポリマー / 超分子触媒 / シクロデキストリン / ポリロタキサン / 構造制御 / 超分子構造解析 |
Research Abstract |
シクロデキストリン(CD)は酵素様の触媒機能を示すことが有望視されつつも、その機能性を十分に発揮しておらず、有機合成触媒として実用性に乏しい。これまでに我々は無溶媒下にてシクロデキストリン(CD)を用いて環状エステルの開環重合に成功している(J. Am. Chem. Soc. 2004)。本研究課題においてはこれらの予備研究の結果を元に、触媒としてのCDに注目し、本年度は外部刺激による超分子構造体の構造制御に連動する触媒系の構築を試みた。金ナノ粒子を骨格を利用して、CDが球状分子表画に密に修飾されたCD球状分子の合成を行った。金ナノ粒子の場合、内部の金ナノ粒子を溶かし出し、このときに隣接するCDがジスルフィド結合により架橋されるため、中空CDナノ粒子の形成が可能となった。合成したCD球状分子は表面にCDを有しているため、ラクトンに対する重合を行った。球状分子自身が重合活性を示し、重合表面にポリエステルが修飾された。より高分子量のポリエステルを作成するためにはこのポリマー鎖をポリロタキサンにする必要があることも判明した。このように内部はCDにて構成され、外部はポリロタキサンに構成された二階層構造の構築に成功した。 もう一つの課題として、CDに光異性化能を有する桂皮酸を修飾し、重合制御を試みた。この場合、モノマー分子認識場に隣接して桂皮酸が修飾されているため、光の波長を選択することにより、CD空孔の開閉が行えるのではないかと考えた。実験の結果、桂皮酸の異性化により、モノマー分子の認識・活性化が制御できた。その結果、開始反応・成長反応の一連を波長選択により制御が可能になった。
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Research Products
(18 results)