2008 Fiscal Year Annual Research Report
固液界面重縮合による有機半導体-有機半導体ヘテロ接合高分子薄膜の構築
Project/Area Number |
20750094
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
内藤 昌信 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 助教 (30346316)
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Keywords | フタロシアニン / 重縮合 / ヘテロ接合 / 表面・界面 / シロキサン |
Research Abstract |
有機半導体超薄膜の作製において、1分子レベルで膜厚が精密に制御できれば分子素子の高機能化が実現できるが、非常に高度な製膜技術が必要とされる。本研究ではOH基で表面修飾した基板を機能性π共役平面分子フタロシアニン(Pc)溶液中に浸漬・乾燥の操作を繰り返すのみで、Pcを1分子層ずつ精密に積層できることを明らかにした。 実験は次のように行った。OH基表面を持つ基板は、水晶発振子マイクロバランス(QCM)の金基阪表面を6-hydroxy-1-hexane-thiolで被覆して作製した。得られ基板を、配位中心にSiOH基を持っPcのCHC_3溶液(15μM)中に所定時間浸漬した後CHCl_3で洗浄した。基板表面に積層したPcの乾燥重量はQCMの振動数変化より算出した。 H20年度の成果として次の結果が得られた。 (1) 浸漬時間効果 : Pc溶液中への浸漬時間が吸着量に及ぼす効果を検討した。その結果、浸漬乾燥サイクル1回に対し、Pc1単分子層に対応する吸着量の増加が確認できた。一方、浸漬時間と積層量には明確な相関は見られなかった。 (2) Pcへテロ積層膜の創成 : あらかじめ調整した7層のPc1積層膜上にペリフェラル側基が異なるPc2を引き続き累積した。その結果Pc1とPc2の接合面ではPc2単層分の積層量より下回ったが、Pc2の浸漬乾燥サイクル2回目からはPc1同様に単層吸着を示した。これにより、有機半導体-有機半導体へテロ接合超薄膜ガ浸漬乾燥操作のみで作製できることが明らかになった。
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