2008 Fiscal Year Annual Research Report
機能性有機バルク材料としての超分子/高分子ハイブリッド
Project/Area Number |
20750097
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
杉安 和憲 National Institute for Materials Science, ナノ有機センター, 主任研究員 (80469759)
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Keywords | 超分子集合体 / ブロックコポリマー / 有機エレクトロニクス / 自己組織化 / ミクロ相分離 |
Research Abstract |
超分子/高分子ハイブリッドの合成のために、超分子集合体ドメインを形成し得るビルディングブロックの有機合成を行なった。具体的には、ポルフィリン骨格に、アルキル鎖および水素結合部位を有したポルフィリン誘導体を7ステップの経路にて合成できた。また、超分子と高分子との連結部分として、反応性置換基を有したエンドキャップ型ポルフィリン誘導体を4ステップの経路で合成した。非常に有意義な結果として、この合成経路の最適化を行なう上で、ポルフィリン平面の両面が遮蔽された、いわゆる「ダブルストラップポルフィリン」誘導体の効率的な合成法を見いだした。 この、ダブルストラップポルフィリン誘導体は、ポルフィリン平面の両面が覆われ、ポルフィリン分子そのものが外界から孤立化されているために、固体状態においても自己会合が抑制され、その結果、通常のポルフィリンと比較して、2倍以上の蛍光強度を示すことが明らかとなった。そこで、このダブルストラップポルフィリンにさらにビチオフェン分子を4つ修飾した電解重合モノマーの合成を行なった。得られたモノマーは電気化学的に重合可能であり、電極上に超分子/高分子ネットワーク構造を形成することが明らかになった。このような、孤立化した機能性色素を導電性高分子骨格中に組み込むことで、光活性種の失括過程を抑制することが可能となるため、無駄のない(すなわち効率の良い)太陽電池システムや、エレクトロルミネッセンス材料への応用が期待できる。
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Research Products
(5 results)