2010 Fiscal Year Annual Research Report
機能性有機バルク材料としての超分子/高分子ハイブリッド
Project/Area Number |
20750097
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
杉安 和憲 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ有機センター, 主任研究員 (80469759)
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Keywords | 超分子集合体 / 導電性高分子 / 有機エレクトロニクス / ポリチオフェン / エネルギー移動 / エラストマー |
Research Abstract |
本研究は、超分子集合体と高分子を複合化することにより(超分子/高分子ハイブリッド)、超分子集合体を加工するための方法論を確立し、既存の高分子材料に置き換わる機能性有機材料を開発することを目的とする。特に、超分子集合体に由来した光・電気化学的機能や、優れた機械的強度を有した新しいバルク有機材料の創製を行なう。 超分子/高分子ハイブリッドの合成のために、超分子集合体ドメインを形成し得るビルディングブロックとして水素結合部位を有するポルフィリン誘導体を合成した。ポルフィリン誘導体が有機溶媒中において自己集合し、一次元の擬似的高分子(超分子集合体)を生成することを確認した。この超分子集合体は直径が数十ナノメートル程度の繊維状であることが原子間力顕微鏡観察より明らかになった。 非常に興味深いことに、このポルフィリン誘導体の超分子集合体は、時間経過とともに構造変化して行くことを見いだした。具体的には、リング状の集合体が(サンプル調整初期)、ファイバー状へと構造転移する(数時間後)。この過程は、吸収スペクトルなどから、ポルフィリンの会合様式の変化を伴って進行することが明らかになった。 この超分子集合体は、高分子の共存下でも形成されることを確認した。すなわち、添加する高分子は超分子集合体形成を阻害しない。これによって、超分子/高分子ハイブリッドの創製が可能になると期待される。
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Research Products
(11 results)