2008 Fiscal Year Annual Research Report
フッ化炭素鎖をもつデンドリティック多鎖ポリマーによるバイオマテリアル創製
Project/Area Number |
20750109
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
吉村 倫一 Nara Women's University, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (10339111)
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Keywords | コロイド化学 / デンドリマー |
Research Abstract |
本研究では、高い機能をもつバイオマテリアルの創製を目指して、分子のサイズが制御可能なデンドリティックポリマーに着目し、その末端アミノ官能基を細胞認識を有する糖鎖で修飾し、水中で自己会合させるためにフッ化炭素鎖または炭化水素鎖を1本導入した両親媒性デンドリティック多糖ポリマーの開発を行うことを目的とする。1本の炭化水素鎖をもつデンドリティックポリマーは、Divergent法に従い合成した。すなわち、ドデシルアミンまたはヘキサデシルアミンをコアとし、アクリル酸メチルによるMichael付加反応と生成したメチルエステルと大過剰のエチレンジアミンの反応を繰り返すことにより、ドデシルまたはヘキサデシル鎖を有する末端アミノ基のデンドリマーを得た。2本鎖のデンドリティックポリマーも、ジドデシルアミンをコアとして同様の方法で合成した。また、フッ化炭素鎖をもつデンドリティックポリマーは、エチレンジアミンに3-(ペルフルオロアルキル)プロピレンオキシドまたは3-(ペルフルオロアルキル)プロピルブロミドを作用させた後、アクリル酸メチルとエチレンジアミンを用いたDivergent法に従い合成した。いずれも世代数は1、2、3とした。さらに、各種デンドリティックポリマーの末端アミノ基に糖鎖であるラクトビオン酸を作用させて、デンドリティック多糖ポリマーに誘導した。これらの構造は、^1HNMRおよびESI-MSにより確認した。デンドリティックポリマーならびに多糖ポリマーの溶液物性は、平衡および動的表面張力、動的光散乱の測定により検討を行った。デンドリティックポリマーおよび多糖ポリマー水溶液の濃度の増加とともに表面張力は低下し、臨界ミセル濃度を示す明瞭な屈曲点が見られ、その濃度以上で会合体の形成が確認された。この会合体の見かけの流体力学的半径は数ナノメートルのサイズであることがわかった。
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Research Products
(5 results)