2008 Fiscal Year Annual Research Report
半導体ナノ結晶の二光子誘起電子移動の評価と微細加工技術への応用
Project/Area Number |
20750110
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中嶋 琢也 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 助教 (70379543)
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Keywords | ナノ材料 / 光物性 / 合成化学 / 複合材料・物性 / 半導体ナノ結晶 / 発光 / 二光子吸収 / 微細加工 |
Research Abstract |
半導体ナノ結晶は量子閉じ込め効果によりバルクとは異なる性質を示す近年注目を集める材料の一つである。本研究では、CdTeナノ結晶が高い吸光特性と二光子吸収特性を有することに着目し、二光子重合の増感剤としての利用を提案する。本年度は、CdTeナノ結晶から電子アクセプターである有機分子への光誘起電子移動のダイナミクスについて評価した。 半導体ナノ結晶は、イオン液体をマトリックスとすることで、低温で高い発光効率を示し、また、極低温での分光分析から、その励起状態が明るい励起子と暗い励起子にエネルギー分裂することを見出した。高温状態では、主に明るい励起子に励起状態が分布するのに対し、50K以下の低温では暗い励起子が支配的となる。また、その励起状態の分裂のエネルギー幅が量子閉じ込め効果により、サイズ依存することを見出した。さらに、電子アクセプターへの電子移動が、この励起状態の性質に依存するかどうかを評価するため、電子アクセプター存在下における発光寿命の温度依存性を評価した。その結果、暗い励起子から電子アクセプターへの電子移動速度が、明るい励起子から電子アクセプターへの速度に比べ、大幅に小さくなることを見いだした。
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Research Products
(4 results)