2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750121
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 知香 Shizuoka University, 理学部, 准教授 (00360214)
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Keywords | ポリオキソメタレート / レニウム / ジルコニウム / ハフニウム / 可視光応答型光触媒 / アルミニウム / 単結晶X線構造解析 / 酸化触媒 |
Research Abstract |
化石燃料の枯渇の危機および二酸化炭素濃度の増加による地球温暖化は、人類が直面している重大な環境・エネルギー問題である。この問題に対する根本的解決法の一つとして、太陽光エネルギーの効率的利用のための新技術開発が求められている。中でも、水から水素エネルギーを製造する可視光応答型光触媒材料の開発は注目を集めているが、実用化の際に問題となっているのが光増感剤の耐久性である。これに対し、我々は最近、完全無機分子であるポリオキソメタレートの骨格の一部にレニウム(V)原子を置換することで均一な多核レニウム(V)サイトを構築し、可視光を効率良く吸収する新しい光増感剤[O{Re(OH)(α_2-P_2W_<17>O_<61>)}_2]^<14->(1)および[PW_<11>ReO_<40>]^<4->(2)の開発に成功した。これらの化合物は、どちらも可視光領域に強い吸収帯を有しており、光増感剤として2wt%程度酸化チタン上に担持させると可視光照射(>400nm)により効率良く水から水素を発生する。また、その活性は化合物2のほうが化合物1よりも数〜数十倍も高活性であり、レニウム置換サイトの構造が触媒活性に著しい影響を与えていることを明らかにした。 一方、大気汚染・水質汚染を引き起こす環境有害物質の有効利用に対する酸化触媒材料の開発についても研究を進めており、最近、新規ジルコニウム(IV)、ハフニウム(IV)およびアルミニウム(III)置換ポリオキソメタレートの合成、X線構造解析に成功した。今後、これらのポリ酸塩を触媒とした分子状酸素による種々のアルカン、アルケンおよび芳香族化合物の酸化を行う予定である。
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Research Products
(12 results)