2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750124
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
加古 哲也 National Institute for Materials Science, 光触媒材料センター, 主任研究員 (00399411)
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Keywords | 有害物質分解除去 / バンドエンジニアリング / 固溶体光触媒 / 可視光応答 |
Research Abstract |
室内や屋外で発生するあるいは利用されているホルムアルデヒドやイソプロピルアルコール(IPA)といった様々な揮発性有機化合物ガス(VOC)は我々の日常生活を脅かし、健康不安・健康被害をもたらせている。それゆえ、このような有害ガスを除去していく技術を開発することは非常に肝要なことである。その方法の1つとして、本研究では光触媒による分解除去という技術を用い、特に室内環境で機能しやすいように、室内空間に豊富にある可視光線で応答する新しい可視光応答型光触媒を開発することとした。 可視光応答材料の探索方法として、酸化物半導体の伝導帯と価電子帯のポテンシャルの位置とそのバンドギャップの大きさに注目し、適切な2つ以上の酸化物半導体を選び出すことにした。その結果、ぺロブスカイト構造を持つAgNbO_3とSrTiO_3およびAgNbO_3とLa_<1/3>NbO_3の固溶体複合酸化物が可視光照射下で活性が高いことが明らかとなった。とくに、 AgNbO_3とLa_<1/3>NbO_3の固溶体複合酸化物はLa含有量を過剰にすることにより、5価のNbのうち1部が4価に還元されていることが示唆され、それが光励起した電子の拡散速度の向上それに伴うチャージセパレーションの向上に寄与したものと考えられた。以上のことから、固溶体半導体光触媒の作製により伝導帯と価電子帯のポテンシャルの位置とそのバンドギャップをコントロールする方法は有力な方法であり、さらに一部の元素を過剰に入れることにより、より有効な高活性可視光応答材料を作製できることがわかった。
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Research Products
(5 results)