2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750124
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
加古 哲也 独立行政法人物質・材料研究機構, 光触媒材料センター, 主任研究員 (00399411)
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Keywords | 有害物質会解除去 / バンドエンジニアリング / 相転移 / 可視光 / 光触媒 |
Research Abstract |
室内や屋外で発生するあるいは利用されているホルムアルデヒドやイソプロピルアルコール(IPA)といった様々な揮発性有機化合物ガス(VOC)は我々の日常生活を脅かし、健康不安・健康被害をもたらせている。それゆえ、このような有害ガスを除去していく技術を開発することは非常に重要なことである。その方法の1つとして、本研究では光触媒による分解除去という技術を用い、特に室内環境で機能しやすいように、室内空間に豊富にある可視光線で応答する新しい可視光応答型光触媒を開発することとした。 まず、前年に開発に成功したイルメナイト型AgSbO3可視光応答型光触媒(バンドギャップ:2.4eV)の更なる高活性化を図った。具体的には酸化力をより向上させるためにNaSbO3との固溶体を作製することにした。その結果、構想通り、Na比を増大させることでバンドギャップを増大させ、酸化ポテンシャルを大きくすることに成功した。さらには、AgSbO3を660℃程度で焼成すると一部が急激にパイロクロア相に相転移し、パイロクロア(バンドギャップ2.6eV)ーイルメナイト材料が作製できることを見出した。この材料は単相に比べて約2~8倍活性が高く、また市販の高活性光触媒用酸化チタン(P25)よりも8倍程度活性が高かった。この活性の向上は相転移などを利用した複数の相からなる材料を作ることで、相間で著しいシナジー効果が働いたためと考えられた。また、マイクロ波合成法を用いて、短時間(処理時間10分程度)でチタネートナノチューブの合成に成功し、その集合体をツイストさせて膜にすることで非常にポーラスで親水性に富む材料の開発にも成功した。これをPt-WO3と組み合わせることで、可視光で高活性な膜材料の開発にも併せて成功した。
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Research Products
(7 results)