2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750129
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大窪 章寛 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (60376960)
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Keywords | tRNA / 核酸 / 有機化学 / 高分子化学 |
Research Abstract |
本研究課題は、非天然アミノ酸を有するアミノアシルtRNAを使って、酵素の触媒部位を有機化学的知見に基づいて改変し、今まで触媒できなかった反応までも進行させることのできる"スーパー人工酵素"の構築を最終目標としている。そのために、まず、塩基性条件下不安定なエステル結合を有するために、合成が非常に難しく報告例の少ない、修飾アミノアシルtRNAの簡便かつ効率的な固相合成法の確立を目指した。そこで、20年度は一切塩基性条件を用いない「酸脱保護RNA合成法」の開発をおこなった。 最近の我々の研究により、RNAオリゴマー中の塩基部位に導入したホルムアミジン型の保護基(ジメチルアミノメチレン基ならびにジブチルアミノメチレン基)が、酸性条件下加熱処理によりホルミル基を経由し、脱保護されることがわかっていた。そこで、種々の酸性条件を検討した結果、イミダゾリウムトリフラートを用いた場合、pH4.8の穏和な条件でも50℃の熱を加えることで核酸塩基に導入したホルムアミジン型保護基が迅速に除去できることを見いだした。これは、この脱保護反応の反応速度が脱保護試薬の酸性度だけでなく、求核性にも影響を受けることを示唆している。さらに、この条件をRNAの固相合成に適応させたところ、2'水酸基に用いたシリル型の保護基、および固相担体とRNAオリゴマーとをつなぐシリルリンカーも同時に切断できることがわかった。 現在は、非天然アミノ酸を有するアデノシンを固相担体にシリルリンカーを介して導入し、酸脱保護iRNA合成法を用いてアミノアシルRNAの合成をおこなっている。
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[Journal Article] Protected DNA Probes' capable of strong hybridization without removal of base protecting groups2008
Author(s)
Ohkubo A, Kasuya R, Sakamoto K, Miyata K, Taguchi H, Nagasawa H, Tsukahara T, Watanobe T, Maki Y, Seio K, Sekine M.
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Journal Title
Nucleic Acids Research 36
Pages: 1952-1964
Peer Reviewed
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