2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750129
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大窪 章寛 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 助教 (60376960)
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Keywords | tRNA / 核酸 / 有機化学 / 高分子化学 |
Research Abstract |
本研究課題は、非天然アミノ酸を有するアミノアシルtRNAを使って、酵素の触媒部位を有機化学的知見に基づいて改変し、今まで触媒できなかった反応までも進行させることのできる"スーパー人工酵素"の構築を最終目標としている。そのために、まず、塩基性条件下不安定なエステル結合を有するために、合成が非常に難しく報告例の少ない、修飾アミノアシルtRNAの簡便かつ効率的な固相合成法の確立を目指した。 昨年までにわれわれは、核酸塩基部位に導入したホルムアミジン型保護基が、弱酸性の穏和な条件下50℃の熱を加えることで脱保護できることを見いだしている。そこで、本年はこの酸脱保護反応を用いて、塩基性条件下不安定な修飾官能基を有するRNAオリゴマーの合成をおこなった。この合成では、中性条件で切り出し可能なシリルリンカーを介してヌクレオシドを導入した固相担体を用いる。まず、糖部の2'水酸基にトリイソプロピルシリルオキシメチル基を、核酸塩基の保護基にはN,N-ジブチルアミノメチレン基(rC,rA)またはN,N-ジメチルアミノメチレン基(rG)を有するRNAユニットを用いて固相担体上で鎖伸長した。その後、ホルムアミジン型保護基の酸脱保護をおこない、フッ化物処理をすることでRNAオリゴマーを切り出した。HPLC解析により目的のRNAオリゴマーが純度よく合成できていることが確認できたので、現在は、本手法を用いて様々なアミノアシルRNAのライブラリー作製をおこなっている。
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