2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750132
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梁 興国 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 講師 (60447828)
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Keywords | 光応答性RNA / アゾベンゼン / RNA / RNA二重鎖 / siRNA / RNAi / 遺伝子発現 / 光制御 / RNAハイブリダイゼション |
Research Abstract |
本研究では、光応答性RNAの構築とRNA機能の光制御を目指した。最終的には、RNAiなどのプロセスを光制御することで、遺伝子発現の光制御を実現する。平成20年度の計画では、光応答性分子であるアゾベンゼンをRNAに導入することで、光応答性RNAを合成し、そのRNA又はDNAへのハイブリダイゼションの光制御能を評価する。 研究を行った結果、D-threoninolを介し、アゾベンゼンを合成収率の比較的に低いRNAへの導入に成功した。合成したDNAをPAGEで精製し、TOF-MSなどの方法で同定した。更に、RNA/RNA二重鎖とRNA/DNA二重鎖の光制御能をT_m測定により評価した。その結果、同じ配列を持つDNA/DNAの場合よりも、高い光制御能を示された。配列依存性を調べたところ、調べた数種類の光応答性RNAに対してすべて高い光制御能をもつことが分かった。また、一本のRNAに2個以上のアゾベンゼン導入が可能で、更なる高効率な光制御に成功した。即ち、光応答性RNAを用いることで、RNA/RNA二重鎖の形成と解離の可逆的な光制御に成功した。 次に、アゾベンゼン導入した二重鎖siRNAを構築し、RNAiによる遺伝子発現への影響を調べた。具体的にターゲット遺伝子(Mouse Piasy)を含むPlasmidを細胞に導入することで発現させ、二重鎖RNAを導入した場合のRNA干渉効果をWestern Blottingによって検出した。アゾベンゼンを導入したRNA配列をアゾベンゼンがtrans体の状態で用いた場合、RNA干渉におけるアゾベンゼンの影響は導入位置によって大きく異なることが明らかとなった。これはsiRNAと酵素や認識タンパクとの相互作用においてアゾベンゼンが局所的に影響していることを示していることから、光照射によってアゾベンゼンをcis体へと異性化させることで二重鎖の局所的な構造変化を引き起こし、RNA干渉を光制御することが期待できる。平成21年度では、光応答性siRNAを導入した細胞を光照射し、遺伝子発現の光制御を試みる。
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