2009 Fiscal Year Annual Research Report
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20750132
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梁 興国 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60447828)
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Keywords | 光応答性RNA / アゾベンゼン / RNA / RNA二重鎖 / siRNA / RNAi / 遺伝子発現 / 光制御 / RNAハイブリダイゼション |
Research Abstract |
本研究では、光応答性RNAの構築とRNA機能の光制御を目指した。例えば、RNAiなどのプロセスを光制御することで、遺伝子発現の光制御を実現する。平成21年度の計画では、アゾベンゼン残基をsiRNAに導入し、導入位置などのRNAi効果の影響を調べる。また、細胞に導入した光応答性siRNAの効果を評価し、そのメカニズムの解明を目指した。 アゾベンゼンを導入したsiRNAを用いて、遺伝子発現の抑制効果を調べたところ、導入位置により、RNAi効果が大きく変化することが分かった。興味深いことに、センス鎖の5'末端に近い位置に導入する場合、天然のsiRNAと比べ1/10以下の濃度で、十分なRNAi効果を有することを見出した。これは、センス鎖とアンチセンス鎖を識別することがRNAiのプロセスに大きく影響することを示唆する。この機構を基づいて、医療やバイオテクノロジーのツールとして高機能性siRNAの開発が可能になる。 また、アゾベンゼンを含む二重鎖siRNAを細胞に導入し、光照射によってcis体へと異性化させることで二重鎖の局所的な構造変化を引き起こし、RNA干渉の効果において有意な差が観察された。分子設計を最適化することで、高効率な光制御が可能である。更に、機能性核酸に光応答性DNAをつけることによりRNA切断の光制御を狙い、DNAハイブリダイゼーションの高効率な光制御を実現した。即ち、DNA塩基対とアゾベンゼンが1:1の割合で構成する人工二重螺旋の構築に成功し、完全の二重鎖形成と解離の光制御を実現した。将来的には、この新規な光応答性人工螺旋を使用することで、機能性RNAの遺伝子調節を光制御することが期待できる。
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