2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内イメージングを指向した発光性金属ナノクラスターの選択合成
Project/Area Number |
20750135
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
人見 穣 同志社大学, 理工学部, 准教授 (20335186)
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Keywords | 金ナノ粒子 / ポルフィリン / 蛍光 |
Research Abstract |
本研究では,バルクでは観測されない金属ナノクラスターの特性に着目し,生体イメージングに用いることの可能な金属ナノクラスターの合成を目指した.本目的のために,4つのアルカンチオール基をポルフィリン平面に対して垂直の方向に有するポルフィリン誘導体を金表面保護配位子として合成した.合成した金表面保護配位子を含むN,N-ジメチルホルムアミド,または,N,N-ジメチルアセタミドの塩化金酸溶液を水素化ホウ素ナトリウムで還元した結果,金ナノ粒子が生成することが判明した.金ナノ粒子の粒子径は合成した金表面保護配位子と塩化金酸との比率に強く依存し,保護配位子の割合が高くなるほど,得られる粒子径の比率が小さくなった.得られる金ナノ粒子はポルフィリン由来の強い蛍光を示していた.この結果は,ポルフィリン保護配位子によって被覆された金ナノ粒子では,ポルフィリン由来の蛍光が大きく消光されるとする従来の報告とは大きく異なる.我々の金ナノ粒子の粒子径が2ナノメーター近くと非常に小さいこと,また,ポルフィリン骨格の配向が,従来の報告では金表面に対して直交しているのに対し,我々の系では,金表面に対して平行である点が異なっている.これらの違いが蛍光強度の違いに関係があると考えられる.また,金表面保護配位子のポルフィリン中心にマンガンイオンを導入した場合も同様に,マンガンポルフィリン被覆金ナノ粒子が得られることを見いだした.
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Research Products
(5 results)