2008 Fiscal Year Annual Research Report
non-coding RNAの機能を制御あるいは模倣する新規人工核酸素子の開発
Project/Area Number |
20750136
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
山吉 麻子 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 助教 (70380532)
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Keywords | non-coding RNA / 核酸 / アンチセンス / miRNA / 7SK |
Research Abstract |
多種多様な機能性non-coding RNAが存在し、それらが仲介するさまざまな遺伝子発現制御機構が明らかになっている。本研究課題では、下記の2点に重点を置き、新規核酸医薬開発を推進した。 I. miRNA機能制御素子の開発 micro RNA(miRNA)は、ヒト遺伝子の約30%以上の発現制御に関わっているnon-codingRNAである。Argonauteタンパク質を中核とした複合体(RISC)を形成し、標的遺伝子との二重鎖構造を認識して遺伝子発現を制御している。そこで、miRNAと標的遺伝子との二重鎖構造を変異させることによるRISC活性の制御目指し、天然に存在する核酸のピッチ(炭素3原子)より1原子多いブチレンリンカーでヌクレオチド間を連結させた新規核酸素子(TSO)の開発を行った。1, 4-butane diolの水酸基を各々DMTr化、amidite化し、固相ホスホロアミダイト法により2'-OMe型オリゴヌクレオチドに導入し、TSOを得た。モデル実験系として、TSOの標的をanti-GFP-siRNAとし、ガイド鎖に相補的なTSOを合成した。ブチレンリンカーの導入位置を様々に変化させた結果、RISCの切断部位より1塩基5'側にリンカーを導入したTSOがRISC活性を最も抑制した。この部位は、RISC活性に必須なMgイオンを包接する部位であり、この部分の構造を変異させることがRISC活性制御に重要ではないかと考察し、さらなる分子設計を行う。 II. small 7SK ミミック核酸素子の設計と機能評価 7SKは進化的に保存された332ntのnon-coding RNAであり、HEXIM1タンパク質と結合することで遺伝子(特にHIVプロウィスル)の転写をON/OFFしている。そこで、7SKの転写制御能を模倣する人工核酸を開発し、新規核酸医薬品としての有効性を評価することを目的とした。7SKとHEXIM1との結合部位は複数の報告があるため、HIVのLTRをプロモーターに持ち下流にルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミドを用いてレポーターアッセイを行ったところ、7SKの43-61ntのヘアピン構造部位が転写活性に重要である結果を得た。絞られた領域の高次構造を分子動力学計算法により解析し、small-7SKミミックを設計した。今後、small-7SKミミックの転写制御能について評価する。
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Research Products
(10 results)