2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規蛋白質標識技術を用いたPETおよび蛍光イメージング
Project/Area Number |
20750138
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
瀧 真清 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70362952)
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Keywords | 蛍光 / PET / 非天然アミノ酸 / L / F転移酵素 / NEXT-A法 / アミノアシルtRNA / N末端 / 癌の早期発見 |
Research Abstract |
●申請者が新規開発した有機化学-酵素化学的手法を応用し、以下の1〜6の手順に従って実験し、ペプチドのN末端特異的にPETプローブを導入することに成功した。1. D. Trirrellらにより報告されている、非天然アミノ酸を認識してtRNAの3'末端に結合する変異アミノアシルtRNA合成酵素(ARS)を大腸菌を用いて作製した。2. フッ素原子の入ったPETプローブ(非放射)型アミノ酸を有機合成した。3. 2の非放射型アミノ酸を用い、1にて作製した変異ARSの存在下にて、アミノ酸-tRNA結合体(アミノアシルtRNA)を作製した。4. N末端にリジンを持つモデルペプチドを大腸菌を用いて作製した。5. 3にて作製したアミノアシルtRNAと特別な酵素(L/F-転移酵素)と、4にて作製したペプチドとを混合し、蛋白質を非放射型アミノ酸で標識してTOF-MSおよびEdman分解法で同定した。6. 変異ARSによるアミノアシル化反応(上記1)とL/F-転移酵素による非天然アミノ酸の目的ペプチドへの転移反応(上記5)を1つの試験管内で行った。この場合、tRNAはリサイクルされ触媒として働くため、標識反応の効率化および反応スケールが大幅に向上した。以上を特許出願し、またシンポジウム発表(招待講演)を行った。●以下の1〜3の手順に従って実験し、蛋白質のN末端特異的蛍光標識に成功し、論文発表を行い、学会講演賞を受賞した。1. 化学的アミノアシル化法にて蛍光プローブによってアミノアシル化されたtRNAを作製した。2. 変異L/F転移酵素(計4種類)を作製した。3. 1にて作製したアミノアシルtRNAと、2にて作製した変異転移酵素とを混合し、目的蛋白質N末端に蛍光性アミノ酸を付与させた。これをTOF-MSやゲルイメージャー、アミノ酸配列解析等で同定した。
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