2008 Fiscal Year Annual Research Report
非リボスイッチ型・分子応答性タンパク質発現バイオセンサーの開発
Project/Area Number |
20750145
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小川 敦司 Ehime University, 上級研究員センター, 上級研究員 (30442940)
|
Keywords | 核酸 / バイオテクノロジー / 発現制御 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
当該年度は、当初の研究計画通り、アプタザイム・サプレッサーtRNA連結体を用いることによって、「非リボスイッチ型の分子応答性タンパク質発現システム」を大腸菌系で構築することに成功した。具体的には、レポーター遺伝子ルシフェラーゼのSer60コドンを終止コドンの1つであるアンバーコドンに置き換えたものと、分子応答性リボザイム「アプタザイム」をアンバーコドン対応サプレッサーtRNA(Ser)の5'末端に連結させたものを作成し、大腸菌系の翻訳システムと組み合わせた。標的分子が存在しないと、ルシフェラーゼの翻訳はアンバーコドン部位で終了するが、標的分子が存在すると、アプタザイムが切断されてサプレッサーtRNAが活性化し、アンバーコドンがサプレッションされるため、全長のルシフェラーゼが発現する、という仕組みである。この分子応答性タンパク質翻訳システムは、天然に存在しない全く新しい遺伝子発現制御技術であり、通常のリボスイッチ型タンパク質翻訳システムと比しても、応答性は遜色ない。また、アプタザイムを標的分子に合わせて分子進化法で獲得することによって、あらゆる分子に対してシステムを構築することが可能であることから、一般性も極めて高い。生体外では分子検出法として、生体内ではバイオセンサーおよび外部刺激応答性ドラッグタンパク質翻訳システムとしての応用が期待される。今後は、これらのシステムを真核細胞系で開発することを目的として、研究を進めていきたい。
|
Research Products
(5 results)