2009 Fiscal Year Annual Research Report
非リボスイッチ型・分子応答性タンパク質発現バイオセンサーの開発
Project/Area Number |
20750145
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
小川 敦司 Ehime University, 上級研究員センター, 上級研究員 (30442940)
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Keywords | 核酸 / バイオテクノロジー / 発現制御 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
当該年度は、昨年度実績報告書にあるように、昨年度に原核生物系において開発した「アプタザイム-tRNAコンジュゲートを利用した分子応答性タンパク質発現システム」を真核生物系に応用する予定で研究を始めた。しかしながら、アプタザイム-tRNAコンジュゲートが真核細胞抽出液中で分解されることが判明したため、アプタザイムをmRNAに結合させる方法に切り替えた。真核生物のmRNAにおいては、原核生物のようなリボソーム結合サイトが存在しないため、原核生物で見られるようなリボスイッチ型での翻訳制御は困難であったが、真核生物の翻訳システム特有の特徴を活かした斬新なデザインにより、優れた分子応答性を有するタンパク質発現システムを構築することに成功した。本システムにおける「アプタザイム活性→タンパク質発現」変換効率は非常に高く、バイオセンサーとしての感度は、昨年度の原核生物系のシステムに比して数十倍となった。また、本システムは、アプタザイムを変換するだけで標的分子を変更できるため、一般性も極めて高い。当初の研究実施計画とは少しズレが生じたが、本システムは、本研究課題の研究目的である「検出分子に応答してタンパク質を発現させる技術の開発」を十分に満たしているだけでなく、当初の方法で予想していたよりも遥かに高いパフォーマンスを示すものとなった。実際の真核生物中でうまく働くかどうかは調査段階であるが、本システムは生体内外のバイオセンサーとしてのプロトタイプとして期待できる。
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Research Products
(6 results)