2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20750146
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
阿部 洋 The Institute of Physical and Chemical Research, 伊藤ナノ医工学研究室, 専任研究員 (80415067)
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Keywords | 蛍光発生化合物 / RNA / 遺伝子検出 / 核酸連結反応 |
Research Abstract |
本研究では、遺伝子シグチルを飛躍的に増幅できる化学反応プローブを創出し、生細胞内遺伝子検出法へ応用することを目的とする。化学反応プローブの遺伝子検出は、核酸鋳型上で配列依存的におこる化学反応を基にシグナルを作り出す。この化学反応が複数回起こることにより、シグナル増幅が可能となる。酵素を用いることなしにシグナル増幅できる反応機構のデザインは、化学分野におけるチャレンジングな課題であり、その概念は極めて重要で様々な分野に応用できる。そこで、本研究計画では、等温下シグナル増幅に焦点をしぼり、これまで達成されていない短時間で遺伝子の存在を蛍光シグナルとして増幅できる新規反応メカニズムを開発する。本年度は、新たに蛍光発生分子としてジニトロベンゼンスルフォニル基で保護したクマリン誘導体を合成した。この分子を求核剤であるチオフェノールで処理すると、保護基が脱保護され飛躍的に蛍光強度が増大した。そこで、この分子を核酸プローブに導入することにより、遺伝子検出プローブを合成した。プローブを用いて、核酸鋳型上での反応を検討したところ、核酸配列特異的に化学反応が進行し、蛍光シグナルの発生が観測された。残念ながら、4時間で20%程度の反応速度であることから、化学反応の回転効率は高いものではなかった。本プローブにおいては、求核プローブとしてホスホロチオエートプローブを用いたが、さらに求核性の高い官能基に変換することにより、さらに反応性の高いプローブを設計する必要があった。そこで、種々の求核性官能基を修飾したプローブを合成し、その反応その反応性を評価した結果、チオフェノール基が極めて高い反応性を示した。
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