2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属空気電池の二次電池化のための新規空気電極の創製
Project/Area Number |
20750152
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
湯浅 雅賀 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 助教 (50404075)
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Keywords | 電池 / ナノ材料 / 無機工業化学 |
Research Abstract |
本研究の最終目的は、充電反応に難点のあるカーボンブラックに替わり、LaNiO_3を触媒担体として充放電可能かつ高性能な金属空気電池正極(LaMnO_3担持LaNiO_3電極)を実現することである。本年度は、逆ミセル法によるLaMnO_3担持LaNiO_3ナノ粒子の合成と、LaNio_3のカーボン代替材料としての可能性について検討を行った。 ○LaMnO_3担持LaNiO_3の合成 LaMnO_3担持LaNiO_3ナノ粒子の合成ついて、(a)逆ミセル内部の水溶液反応場でLaNiO_3前駆体(La, Ni水酸化物)を析出し、さらにLaMnO_3前駆体(La, Mn水酸化物)を析出し、熱処理によりLaMnO_3担持LaNiO_3を得る方法と、(b)一旦LaNiO_3ナノ粒子を合成し、これに逆ミセル法により得たLaMnO_3前駆体(La, Mn水酸化物)を担持した後に焼成してLaMnO_3担持LaNiO_3を得る方法とを試みた結果、前者(a)の方法では、LaNiO_3とLaMnO_3の固溶体が生成したが、後者(b)の方法ではLaNiO_3とLaMnO_3の固溶は起こらず、LaMnO_3がLaNiO_3上に微細に担持された、本研究の目的の酸化物コンポジットを得ることできた。 ○電気化学特性の評価 LaMnO_3担持LaNiO_3の電気化学特性を評価したところ、LaNiO_3をカーボンの代替材料として用いることで、カーボンを用いた際に問題であった、充電時の担体の腐食劣化を防ぐことができ、LaNio_3を用いることで、空気電池の二次電池化の可能性を見出すことができた。さらに、LaNiO_3を合成する際の焼成温度を低く設定することで、LaNiO_3の比表面積・導電性が向上し、酸素発生特性も向上することが明らかとなった。しかしながら、LaMnO_3担持LaNiO_3を用いて作成した空気極は、カーボンを用いた電極に比べて放電性能(酸素還元特性)が劣ることも判明した。放電特性が低い原因について検討を行ったところ、LaNiO_3がカーボンに比べて導電性が低いことや、作成した空気極がカーボンを用いた空気極に比べて空気の透過性が低いことが原因であることが判明し、21年度の研究に向けた特性向上のための課題もある程度把握することができた。
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Research Products
(2 results)